ゲストハウスに宿泊してその国や地域の文化に触れる:キューバでの経験
旅行の際に重要なポイントとなる宿泊施設。
ホテルやドミトリータイプのホステル、民宿のようなB&B(Bed & Breakfast)やゲストハウスなどさまざまな形があります。
私は基本的にツアーではなく、交通手段や宿泊先を個人で手配するスタイルなので、訪れる国や地域、そして旅行の目的に合わせて宿泊形態を選んでいます。
ホテルではなく、B&Bやゲストハウスを利用するメリットを自身のキューバでの経験を交えて紹介します。
ゲストハウスとは
B&B、ゲストハウスなど国や地域によって定義や呼び名が異なりますが、一般家庭のような比較的規模の小さな宿になります。
私はいくつかの国で利用したことがありますが、多くは子供が成長して独立したのを機に、自宅の一部を改装して宿を営んでいるお家でした。
日本でいう民宿と一般家庭にお邪魔するホームステイの間のようなイメージでしょうか。
食事はオーナーご家族が使うテーブルでいただき、バスルームは個々の部屋に付いていることもあれば、共同で使用する場合もあります。
ゲストハウスに泊まるからこそできる経験
ゲストハウスに泊まるメリットは、その国や地域の文化や習慣を肌で感じることができることです。
ホテルはプライベートな空間が確保されている一方、その国や地域の方々のリアルな暮らしに触れることはなかな難しいものです。
ゲストハウスのような小さな宿ではオーナーご家族が同じ建物内に暮らしている場合が多く、その地域の一般家庭の生活がどのようなものかを垣間見ることができます。
また、オーナーご家族や他のゲストとの交流によって文化や生活事情などを楽しく学ぶことができます。
キューバで利用したゲストハウスでの経験
キューバの民宿のような民家の一部に泊まれる施設は、スペイン語で「家」を表す“Casa”(カサ)と呼ばれています。
ハバナから東へ250kmほどの街シエンフエゴスで宿泊したカサは、ご夫婦が営む綺麗でアットホームな宿でした。
キューバの食卓で知ったマンゴーの魅力と身近さ
大好きなフルーツのひとつ、マンゴー。
最近はスーパーにタイやフィリピン産の輸入マンゴーが比較的手ごろなお値段で並ぶことも増えてきましたが、日本では限られた地域でしか栽培されないので高級なものも多いですね。
キューバではマンゴーはなんと1個10円程度で売られています。
これはガイドブックにも載っていた情報でしたが、シエンフエゴスの宿では驚きの光景が待っていました。
朝食を取るのにキッチンを通ると、
マンゴーがタマネギやジャガイモなど日常使いの野菜と一緒に無造作に置かれており、入りきらないものは床に転がっていたのです。
なかには日本のデパートや高級果実店で販売されているような丸々と大きく綺麗な色と形のものもありました。
オーナーに日本でマンゴーは安くても一つ数百円、とくに立派なものは数千円で売られていることを伝えると相当な驚きようでした。
それもそのはず、キューバではマンゴーの木は家庭の庭先に植えられていて、とても身近な果物なんだそう。
オーナーは「キューバは、すぐにでも日本に輸出しなきゃね」「マンゴーのビジネスを始めようかな」と笑い、朝から会話が弾みました。
朝食にはパンとチーズやハムにパイナップルやバナナ、完熟マンゴーなどのフルーツがたっぷり。
そして贅沢にも完熟マンゴー100%生絞りジュース、飲み放題。
ものすごく甘くて濃厚。
間違いなくいままでで一番美味しかったマンゴーだと思います。
シエンフエゴスから次の目的地へバスで向かったとき、見渡す限りマンゴーの木が延々と続く大規模農園や、一般家庭の庭先に生るマンゴーをいくつもみることができました。
オーナーさんとの会話がなければ、このような景色には気づくことはなかったと思います。
食材ひとつで文化やモノの価値の違いを肌で感じることができ、貴重な経験となりました。
予定外のイベントを楽しむ
キューバで人気のスポーツは野球。
キューバ旅行中に野球観戦は予定してなかったのですが、オーナーから「明日の夜、もう一組のゲストと野球を観にいくけど一緒にいかないか」とお誘いを受けました。
宿から球場までは歩ける距離で、地元シエンフエゴスのチームとキューバトップのチームが対戦するとで、ご一緒させていただくことにしました。
オーナーが取ってくれた席はバックネット裏で、テレビ中継カメラのすぐそばという特等席。
ナイターの野球観戦と言えばビール!と思い、球場の外にでているお店でビールを購入。
ビールを手に席へ戻ると近くのおじさまがビールを指しながらスペイン語で何か話しかけてきました。
スペイン語はわからないのですが、なんとなく怒られているような…
あとから宿のオーナーに英語でのヘルプを求めると、球場内ではビールは飲んではいけないそうなんです。
ラテンのお国柄、飲みながら観戦するイメージがあったので、とても意外なルールでした。
地元チームは強豪相手に残念ながら完敗してしまいましたが、まさか久々の野球観戦をキューバで経験するとは、とても良い思い出になりました。
他のゲストとの交流
一緒に野球を観に行ったのは、3歳くらいお子様連れのご家族。
こちらの宿には1週間ほど滞在しているそうで、どちらからいらしてるか伺ったところ「うーん、いま家はないんだよ」と予想外の返答が。
聞くと、オーストラリアのご出身で数ヶ月前まではアジアのある都市に住んでお仕事をされていたそうですが、現在は家を手放して家族3人で半年ほどかけていろいろな国を旅しているとのこと。
旅行が好きな者にとっては、なんとも素敵でうらやましいお話。
しかも小さなお子様連れでそのような決断や生活を選択するというのは、なかなか真似できることではないですよね。
お子様は宿のオーナーが本当のおじいちゃんであるかのように懐いていて、とても可愛らしかったです。
このようにさまざまな国の方と出会い、ひとつ屋根のしたで自然とお話しできることも楽しみのひとつです。
やはり安い宿泊費
こちらのシエンフエゴスの宿は、ダブルサイズの1ベット、プライベートバスルーム付きで1人1泊1200円ほど。
1泊2食付にしても2000円台で、ホテルと比べると格段に安くなります。
こちらの宿は英語が通じて、口コミが良いことを条件に探しましたが、こだわりがなければもっと安い宿もあります。
さいごに
B&Bやゲストハウスでは、宿泊費が安いだけでなく、ホテルではなかなか得られない現地での生活の一部を経験することができます。
宿泊先に快適性やプライベートな空間を求めるのであれば、あるいは治安によってはホテルが良いかもしれませんが、ときにはその地域の文化を肌で感じたり、現地の人やほかの旅人と交流の機会があるゲストハウスに宿泊してみてはいかがでしょうか。
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