【フィリピン・ボラカイ】『ホワイトビーチ』の環境対策と再開後の状況
環境汚染を理由にドゥテルテ大統領の指示により2018年4月から10月までの半年間閉鎖されたフィリピンのボラカイ島。
観光の中心地で世界で最も素晴らしいビーチランキングにも名を連ねるホワイトビーチを島の再開後3ヶ月目にあたる2019年1月下旬に訪れました。
世界のベストビーチに選ばれるホワイトビーチ
ボラカイ島の西海岸に4kmに渡って続くホワイトビーチ。
エメラルドグリーンの海にサラサラの白砂のビーチは、旅行雑誌などで幾度も世界のトップ10ビーチなどに選ばれています。
ホワイトビーチはボラカイ島観光の中心地であり、北から南へステーション1〜3の区域に分けられます。
中央のステーション2付近はスーパーや土産店、飲食店が軒を連ねるdモールを中心にホテルやお店が続く一番賑やかなエリアです。
マクドナルドやスターバックス、ピザのシェイキーズなどグローバルチェーンのお店も多数あります。
ホワイトビーチではシーカヤックやスタンドアップパドルサーフィンなどのアクティビティもでき、スタッフによる呼び込みも行われていました。
西側のビーチなので美しいサンセットを見ることができます。
ただ、サンセットの時間帯のステーション2の辺りは人が多くなるので、少し北のステーション1エリアのほうがゆっくり見られそうです。
ボラカイ島の汚染と環境対策
急激な観光客の増加や下水処理設備のない違法建築などによりこの数年で環境汚染が深刻化したボラカイ島。
真っ白で美しいホワイトビーチは環境悪化により一面緑色の藻に覆われ、海の水も濁る異常な状態に変わってしまいました。
状況を重くみたフィリピンのドゥテルテ大統領はボラカイ島の閉鎖を命じ、ボラカイ島は2018年4月26日から半年の間観光客の受け入れやホテル、お店の営業を完全に停止しました。
上の藻の写真は私が今年1月にボラカイ島の港に上陸した際に港で撮影したものです。
島の閉鎖前はこのような藻がホワイトビーチを覆っていました。
閉鎖中には違法建築物の取り壊しなど様々な島の再生プロジェクトが実行されました。
ホテルや飲食店などには下水処理設備の設置を義務づけ、再開は許可制としました。
再開後のホワイトビーチ
島の再開から3ヶ月後の1月下旬にホワイトビーチを訪れると緑の藻は無くなり、細かくさらさらの白砂に青く透き通ったきれいな海が見られました。
ビーチベットやパラソルの使用は禁止となったため、ビーチはすっきりとしていてとても見通しがよくなっています。
十数メートルおきにゴミ箱が設置されているのでゴミはなく、辺りはきれいに保たれていました。
ゴミのポイ捨ては2,500ペソ(約5,400円)の罰金が課せられます。
ビーチ内は禁煙、飲酒不可、ペット同伴不可。
大音量の音楽も禁止となったため、以前はビーチ上で行われていたナイトパーティーは屋内またはビーチ沿いのバーでの営業に変わりました。
マッサージや髪を編み込むブレイドをする営業もビーチ上では禁止され、店舗営業または飲食店などの軒先での営業となり、観光名物であった灯油を使うファイヤーダンスもたいまつの代わりに環境に優しいLEDライトを使用するパフォーマンスへ変更されました。
また、商用目的の砂のお城などを作ることも禁じられています。
これは砂を固める目的で環境に悪影響を及ぼす薬品が使われることがあるためです。
ホワイトビーチで気になった点
テレビ東京の番組『未来世紀ジパング』にてボラカイ島再開直後の様子を放送していたので視聴してから旅行に行きました。
番組内では警察官が監視の目を光らせている様子が紹介されていましたが、私が訪れたときは日中にビーチを2kmほど歩いてもその間に警察官は3名が1ヶ所にまとまって立っているのを見かけたのみ。
夜は1人も見かけませんでした。
そのせいもあるのか、夜は悪質な売り子を何人も見かけました。
ペンライト型のオモチャを売る売り子たち。
彼らは親と手を繋いで歩く幼児をターゲットにします。
そっと身をかがめて幼児に近づきオモチャを握らせたあとに親の肩をたたきお金をせびるのです。
ビーチ沿いを10分歩く間にこのような手口を4度も目撃しました。
水質は改善しつつあるビーチですが、本当に安心して過ごせるビーチになるにはまだ課題がありそうです。
さいごに
半年間の閉鎖を経て営業を再開したホワイトビーチは白い砂浜と青い海の色を取り戻していました。
これを成功体験として今後も島を毎年1ヶ月間閉鎖する計画もあるとのこと。
実行されるのかはまだはっきりとしていないようですが、島本来の美しい姿を取り戻せるよう環境対策などは一時的なものではなく継続されることを願っています。