初めて訪れた「神戸ルミナリエ」
神戸にて毎年12月に開催されている「神戸ルミナリエ」を初めて見にいきました。
神戸ルミナリエの様子と関東出身で阪神・淡路大震災を経験していない私が感じたことを紹介したいと思います。
神戸ルミナリエについて
光の回廊や壁掛けなどの作品が神戸の街を鮮やかに彩るイベント『神戸ルミナリエ』
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂と都市の復興・再生への夢と希望を託してその年の12月に初めて開催され、今年で24回目となります。
2018年の開催は12月7日(金)~12月16日(日)の10日間で本日が最終日となります。
開催趣旨:
阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂と大震災の記憶を永く後世に語り継いでいくとともに、まちのさらなる魅力発信と神戸地域への集客を目的に開催する。
神戸ルミナリエ公式ウェブサイト 開催概要より
会場までは一方通行。混雑日は長い道のりに
会場は三宮駅と元町駅の間になりますが、ルミナリエ会場に行くには元町駅から三宮駅方面に向かう一方通行となります。
順路に沿って柵が設けられていますので、道の途中から入ることはできません。
阪急線で向かったので阪急神戸三宮駅で下車し、線路沿いを元町方面に歩きました。
途中から柵が設けられており、警察官の誘導に従って柵沿いに進みます。
土曜日の20時過ぎでしたが想像していた以上の人出で、地図の元町駅よりさらに西へ200~300メートルの地点まで柵が延ばされていました。
駅から会場までは通常であれば徒歩10分程度の距離ですが、つづら折りの順路と混雑のため、ルミナリエの入り口まで40分ほどかかりました。
2018年のルミナリエ
仲町通り
旧外国人居留地の仲町通りは約270メートルにわたり作品が設置されています。
玄関作品の「フロントーネ」は大きく迫力があります。
東遊園地
広場に4本の塔を有する光の壁掛け「スパッリエーラ」と光の聖堂「カッサ・アルモニカ」が設置されています。
兵庫県政150周年記念の作品と2019年ラグビーワールドカップ開催記念作品もありました。
噴水広場
東遊園地の南側にある噴水広場には円形状の「スパッリエーラ」が設置されています。
こちらでは18時~21時の間に音楽と光のショーが開催されていますが、この日は21時を過ぎてしまったので残念ながらみることはできませんでした。
『鎮魂』とは程遠い現実も
東遊園地の一角に「慰霊と復興のモニュメント」と「1.17希望の灯り」があります。
「1.17希望の灯り」は、被災10市10町を巡って運んだ種火と47都道府県から寄せられた種火を一つにした灯りが灯されています。
慰霊と復興のモニュメント。
こちらの地下には震災で亡くなられた方のお名前を刻んだ銘板が掲示されている瞑想空間があります。
1.17希望の灯りの前で手を合わせる人々も見られましたが、大勢の人で賑わう光の作品や露店の前に比べるとこの一角は薄暗くがらんとした印象です。
てっきりこの辺りで震災関連のパネル展示等が行われているのかと思っていましたので、なんだか拍子抜けしてしまいました。
そして、私が慰霊と復興のモニュメントを前にして目にした光景がこちら。
食べ物の容器が置き去りにされていました。
これらのゴミはこのあとスタッフジャンパーを着た方が片付けていかれましたが、とても悲しくなる光景でした。
後世に語り継いでいく
慰霊と復興のモニュメント地下の瞑想空間の開場時間は通常午前9時から午後5時までですが、ルミナリエ開催期間は消灯時刻まで開けられています。
こちらの入り口から入りますが、外の露店が並ぶエリアに比べ暗く少々わかりにくいせいか、私が入ったときにはスタッフさん以外どなたもいらっしゃいませんでした。
通路には寄付された方のお名前が、瞑想空間には震災で亡くなられた方のお名前を刻んだ銘板が掲示されています。
地元の小学生が作成した千羽鶴なども飾られていました。
ほどなくして一組のご家族がいらっしゃり、あるお名前の銘板を指しながら小学生と思われるお子様方に震災についてお話をされていました。
ご家族かお知り合いの方が犠牲になられたのでしょうか。
神戸ルミナリエ開催趣旨でもある『阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂と大震災の記憶を永く後世に語り継いでいく』ことがまさに行われていた瞬間でした。
慰霊と復興のモニュメント上に放置されたゴミ、その地下空間で語り継がれる震災の記憶。
震災のあった1995年から毎年行われてきたこのイベントの継続に賛否両論あることを考えさせられました。
さいごに
阪神・淡路大震災を経験していない私が初めて訪れた神戸ルミナリエ。
イルミネーションは綺麗でしたが、開催の趣旨を考えるととても複雑な気持ちで会場を後にしました。
もし来年以降も『阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂と大震災の記憶を永く後世に語り継いでいく』ことを開催趣旨のひとつとされるのであれば、せめて阪神・淡路大震災を経験していない人がその時なにが起こりどのような状況だったのか、またどのようにして復興したのかなどがわかるような展示がされることを願っています。