関西風うなぎを大阪の老舗でいただく「本家 柴藤」
鰻といえば土用の丑の日やスタミナをつける食べ物として「夏」のイメージが強いかも知れませんが、天然の鰻が美味しくなる時期は秋~冬だといわれます。
鰻の蒲焼は関東と関西で異なり、関東風は背開きで蒸してから焼き、関西風は腹開きで蒸さずにそのまま焼きます。
関東出身の私はこれまで関西風の蒲焼を食べたことがなかったのですが、先日初めて関西風の鰻を提供する大阪のお店を訪れてきました。
江戸時代から続く大阪鰻の老舗「本家 柴藤」
江戸時代から300年近く続く老舗の鰻屋さん「柴藤」
土曜日の11時半に予約の上、訪れました。
お店はビルになっており、1階の受付で名前を伝えるとエレベーターで4階へあがるよう案内されました。
座敷に4卓のみとこじんまりとしています。
途中から満席になってもさほど騒がしくなく、落ち着いた雰囲気の中で食事ができました。
メニュー
- 鰻
うな重の「大阪まむし」はご飯とご飯の間にも蒲焼が入っています。
創業者が鰻の美味しい食べ方を研究、考案した方法で、鰻を「ご飯の間(ま)で蒸す」というのが語源といわれているそうです。
値段の違いは鰻の量で、蘭は鰻 1.5匹分、桜は1匹少々、菊は4/5匹分になります。
- 一品
多言語の外国語メニューも用意されていました。
いただいたお料理
一品料理も頼みたかったので、メインのまむしは小さいサイズの菊にしました。
- 肝煮 小
甘辛く炊かれた肝。
苦味が少なくとても食べやすい、ご飯が進む味です。
- 半助豆腐
半助とは鰻の頭のこと。
半助豆腐は鰻の頭の部分とお豆腐を酒、醤油、砂糖とみりんで煮込んだ大阪の郷土料理です。
関西風の蒲焼は鰻を丸ごと焼くため、こんがり香ばしく焼けた頭の部分も無駄なくお料理に使われます。
器には鰻の頭が4匹分が入っていて、お出汁はあっさりめですが鰻の脂と旨みでコクがあります。
鰻の頭にはあまり食べられる身はありませんが、少し口をつけるだけでも十分に鰻のうまみを味わえます。
こちらは400円と鰻屋さんでいただけるお料理としてはとってもリーズナブルなのも嬉しいです。
- 鰻白焼 小
表面がうっすらこんがりと焼けていて香ばしく、噛むとパリッと音がします。
外側はふわふわの関東風より身がしまっていますが、中はふっくら。
これは関東風とは全く異なる食感で、違う料理をいただいているようでした。
関東風とはまた違った鰻の味が楽しめます。
- 大阪まむし(菊)
蒸す工程がないので、表面がカリッとしていて鰻の身が全体的に締まっています。
タレは意外にも甘さ控えめのさっぱりしたタレ。
最初のうちは個人的にはもう少し甘さが欲しいかなと思いましたが、鰻の脂があるので食べ進めていくに連れてさっぱりしたタレが飽きがこず、ちょうど良いと感じました。
まむしなので、ご飯の中にも鰻が入っています。
蒲焼の量が少なめの(菊)を選びましたが、一品料理も頼んだので、ちょうど良い量でした。
- 肝吸い、奈良漬
肝に全然臭みがなく、まるで白子のように柔らかくて少し驚きました。
上品で美味しいお吸い物です。
奈良漬があまり得意ではないのですが、刻んで梅と和えてあったので美味しくいただけました。
さいごに
初めていただいた関西風の鰻。
香ばしく身が締まった鰻は、関東風とはまた違う美味しさがありました。
鰻そのものが好きなので関東風と関西風のどちらが好きかは決めがたく、どちらも美味しいと思います。
初めていただいた半助豆腐がお気に入りの一品になり、ぜひまた注文したいと思います。